[原子力産業新聞] 2006年8月31日 第2345号 <3面>

アルゼンチンで原子力復活 2010年半ばにアトーチャ2号運開へ

アルゼンチンのJ.デビド企画・公共投資相は23日、アトーチャ2号機(PHWR、74万5,000kW)の建設再開やウラン濃縮活動の再開などを盛り込んだ原子力発電開発計画を発表した。

同大臣は「現内閣は2003年の発足以来、一貫して原子力発電部門の復活を支援し、本日、戦略的な原子力発電開発計画を発表するに至った」と、原子力ルネサンスに向けた強い意気込みを示した。

同計画によるとアルゼンチンは今後8年間、約35億ドルを投じて、@2010年半ばをメドにアトーチャ2号機を運開させる(見積額:6億ドル)A2年内にエンバルセ発電所(CANDU、64万8,000kW)のバックフィット作業に着手し、運転寿命の25年延伸を目指す(同:4億ドル)B3年内に重水生産容量を拡大し、アトーチャ2号機の運転に必要な重水を確保する(同:2億ドル)Cアトーチャ2号機の運開後、同国4基目となる新規原子力発電所建設のフィージビリティ・スタディを開始する(同:20億ドル)D同国が提唱する一次系一体型PWRであるCAREMの原型炉研究開発を推進するE国際原子力機関(IAEA)などの国際的枠組みを順守した形で、ウラン濃縮活動を再開する――等を実施する。

アトーチャ2号機は1981年に着工されたが、資金難から1994年に建設が凍結された。工事進捗率は80%といわれている。また同国は、1983年にガス拡散法によるウラン濃縮に成功したが、資金難から濃縮活動を停止していた。


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