[原子力産業新聞] 2006年8月31日 第2345号 <4面>

米社が日本向けNMR販売

米国の理科学機器メーカーのバリアン社(本社・カリフォルニア州パロ・アルト)は29日、日本向けに小型汎用の高性能核磁気共鳴装置(NMR)「400−MR」(=写真)を販売すると東京都内で発表した。

NMRの代表的な利用例は、新薬候補化合物の構造解析、病院での画像診断、食品の油脂等の酸化・劣化の解析、高分子末端の構造解析、エレクトロニクスの各種原料の分析など幅広い先端的な分野で利用が拡大している。

日本も米国に次ぐ第2位の理科学機器市場であり、米国のバリアン社は日本語で操作できるソフトウェアを組み込んで、汎用品として売り込む。小型化で搬送も便利で、操作性や保守性も簡便になっている。一般の製薬、バイオ関連、化学工業、さらに研究・教育分野の研究室にも設置が可能。

設置には床面から2.6mの高さが必要だが、測定試料の挿入は眼の高さで行える。最小の漏洩磁場を誇り、液体ヘリウムの消費量は9か月で95リットル、重量は650kg。

価格は約2,900万円で、年間20台程度の販売を見込む。

バリアン社はNMR、分光分析装置、質量分析計などを製造販売する世界的な会社で、累積納入台数は全世界で3,000台を超える。米ナスダック証券市場に上場し、年間売り上げは7億7,300万ドル、従業員は約3,700人で、北米、欧州、オーストラリアに14か所の生産拠点を持つ。日本法人としてバリアン・テクノロジーズ・ジャパン社(本社・東京都港区、電話03−5232−1211)があり、社員88名。


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