[原子力産業新聞] 2006年9月7日 第2346号 <4面>

[わが国の原子力発電所運転速報] 8月利用率は75.9%、この1年で最高 東電87.0%、関電83.1%

日本原子力産業協会の調べによると、国内原子力発電所の8月の平均設備利用率は75.9%と、前月の同74.6%から1.3ポイント上回り、最近1年間では最も高い水準となった。総発電電力量は、昨年同月比7.2%増の280億55万2,000kWhだった。各発電炉の稼働状況、炉型別・電力会社別の設備利用率は別表に示す通りである。

東京電力(=写真は柏崎刈羽発電所)は全17基中の14基、関西電力は全11基中の8基の原子力プラントが、時間稼働率100%でフル稼働し、利用率がそれぞれ87.0%、83.1%におよぶなど、東西大都市圏における盛夏の電力需要に応えた。一方で、東北電力女川1〜3号機と中部電力浜岡1〜3、5号機(いずれもBWR)が、8月の全期間通じ停止となったことから、BWRは利用率68.1%とPWRの同88.1%に比して大きく下回った。

8月は、計31基の発電炉で設備利用率が100%以上に達しており、最高は関西電力高浜2号機で記録した104%。東京電力柏崎刈羽7号機、関西電力高浜3号機、九州電力玄海4号機の3基が定期検査入りに伴い停止、原子力発電で特に目立ったトラブルはなかったが、14日、送電線事故により首都圏で広域停電が発生、これを受け経済産業省では、予防措置・緊急対応・復旧対策を取りまとめ、原子力施設については非常用ディーゼル発電機や蓄電池により停電時における安全性確保に取り組んでいることを示した。


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