[原子力産業新聞] 2006年9月14日 第2347号 <1面>

日本連合、GNEPに提案 ナトリウム高速炉と燃料サイクル施設

日本原子力研究開発機構は8日、国内関連各社と連名で、米国エネルギー省(DOE)が国内外の産業界に求めていたグローバル原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)構想の「技術提案に関する関心表明の募集」に対し、技術提案とともに関心がある旨を通達した。

DOEは先月3日に当初のGNEP構想の施設計画を大幅に修正した2トラックアプローチを発表した。既存技術を多用する短期計画の「トラック1」と長期計画の「トラック2」を並行して進めるもの。併せて8日締切りで、国内外の産業界に関心表明を募集していた。

日本は原子力機構が取りまとめ、先進燃焼炉(ABR)に富士電機システムズ、日立製作所、三菱重工業、東芝、統合核燃料取扱センター(CFTC)には同4社とともに日本原燃、石川島播磨重工業、日揮、木村化工機、神戸製鋼所、三菱マテリアルの連名で技術提案と関心を表明した。

ABRは電気出力20万〜80万kWを想定、初期は通常のU/Pu燃料炉心で、将来的にはマイナーアクチニド(MA)含有燃料に置き換えられるようにする。炉型としてはナトリウム冷却高速炉が例示されている。CFTCの「トラック1」は、軽水炉の使用済み燃料を数百トン/年で再処理。非ピューレックス法を採用して全工程中、純粋なプルトニウムを存在させずに、U/Pu混合酸化物(MOX)燃料を製造する。「トラック2」では先進燃焼炉の使用済み燃料も再処理し、MAも含んだ燃料を製造する計画。

「トラック1」はともに2010年頃の建設開始、20年頃の運転開始を想定。このため日本は、ABRに関し、FBR実用化計画で採用を目指している二重管直管蒸気発生器を単管ヘリカル型あるいは単管直管蒸気発生器に変更したり、ポンプ内蔵型中間熱交換器を個別に配置するなど、既存技術に置換えた設計を提案した。

DOEは今回の関心表明先を対象に、今年末には設計案の公募を実施する見通し。またDOEは、GNEP関連として立地調査も含め07年度予算に2億5,000万ドルを計上。完成までには、CFTCは5,000億円、ABRには2,000〜3,000億円が必要と見られているが、08年には建設に向けたGNEP構想に関する施設建設の全体計画が示される見通し。


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