[原子力産業新聞] 2006年9月21日 第2348号 <2面>

文科省 原子力システム研究開発事業 特別推進分野9件を採択

文部科学省の委託を受け原子力システム研究開発事業の執行管理を行う科学技術振興機構(JST)はこのほど、特別推進分野の今年度新規研究開発課題について、9件を採択した。

文科省は今年度、高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究フェーズUで示された主概念(ナトリウム冷却高速増殖炉+先進湿式法再処理+簡素化ペレット法燃料製造)における25の技術課題の中から、公募に適する12課題を選定して募集。その結果、各課題に1件ずつの応募があり、これをJSTの特別推進審査委員会が審査した。

不採択となった課題は、配管二重化によるナトリウム漏洩対策強化、保守・補修性を考慮したプラント設計、晶析技術による効率的ウラン回収システムの開発。これらも主概念を実用化する上で重要なため、今後、日本原子力研究開発機構が開発を進める。

採択された課題=研究機関/参画機関は次の通り。(機構は原子力機構)

ナトリウム冷却炉▽システム簡素化のための冷却系2ループ化=新型炉技術開発(株)/機構・筑波大▽原子炉容器のコンパクト化=機構/新型炉技術開発(株)・日本高圧力技術協会▽システム簡素化のための燃料取扱系の開発=日本原電/機構▽受動的炉停止と自然循環による炉心冷却=新型炉技術開発(株)/電中研・機構▽炉心損傷時の再臨界回避技術=機構/新型炉技術開発(株)・九州大学・原子力安全研究協会

先進湿式法再処理▽解体・せん断技術の開発=日本原電/機構▽抽出クロマトグラフィ法によるMA回収技術の開発=機構/なし

簡素化ペレット法燃料製造▽セル内遠隔設備開発=機構/筑波大▽TRU燃料取扱技術=ニュークリア・デベロップメント/慶応大・大阪大

各課題とも開発期間は4年。文科省は来年度は特別推進分野の募集を行わない予定。


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