[原子力産業新聞] 2006年9月21日 第2348号 <3面>

濃縮施設に安全評価報告書 米USEC社 09年に部分操業開始

米原子力規制委員会(NRC)は12日、USEC社がオハイオ州パイクトンに建設を計画している商業規模の遠心分離法ウラン濃縮施設(総工費15億ドル)に関する最終的な安全評価報告書を発表。建設および操業時において、施設の安全性に問題はないと結論した。

同報告書は、放射線防護・臨界安全性・緊急時対策・廃止措置などの分野での安全性を評価するもの。NRCの原子力安全許認可会議(ASLB)が開催する公聴会に先立つ最終段階と位置づけられる。USEC社は公聴会開催後の来年にも認可を取得することを見込んでおり、2009年には部分操業を開始、2011年にはフル操業の開始を予定している。

パイクトン濃縮施設(アメリカン・セントリフュージ・プラント)に導入される新遠心分離技術(アメリカン・セントリフュージと呼ばれる)は、USEC社の主力であるガス拡散法ウラン濃縮技術(濃縮コストの半分以上が電気代)の約5%しか電力を消費しないなど、経済性が高いのが特徴。パイクトン施設の濃縮能力は3,500トンSWU/年だが、USEC社は将来的にプラントをモジュラー建設し、7,000トンSWU/年まで拡張することも視野に入れている。

なおアメリカン・セントリフュージの実証施設が同じパイクトン・サイト内に建設されており、今年8月にはNRCから試運転の開始を承認されている。


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