[原子力産業新聞] 2006年9月21日 第2348号 <3面>

ロシア IAEA構想に慎重姿勢 自国案を提案

ロシア連邦原子力庁のキリエンコ長官は12日、国際原子力機関(IAEA)の「核燃料バンク構想」について、「興味深いが、危険な側面もある」として慎重に対応する姿勢を示した。

核燃料バンク構想は、今年の6月に英米仏独蘭露の6か国が提唱した「多国籍管理による核燃料の供給保証構想」を基にIAEAが作成。濃縮施設や加工施設を多国籍の管理下に置き、IAEAが適確と認めた諸国に対して燃料の供給を保証する仕組みだ。

キリエンコ長官はIAEA構想について、@「適確」とされる基準が不明確A燃料の販売価格の基準も不明確で既存のウラン市場のメカニズムを破壊する可能性も否定できない――と慎重な姿勢を示した。ロシアはウラン生産の拡大を計画しており、IAEA構想に対抗して、自ら提唱する「国際核燃料サイクルセンター」への参加を各国に呼びかけている。


Copyright (C) 2006 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.