[原子力産業新聞] 2006年9月21日 第2348号 <4面>

放射性医薬品の第一RI研 富士フイルムの子会社に

富士写真フイルムと第一三共の100%子会社である第一製薬は、第一製薬の100%子会社で放射性医薬品の製造・販売会社である(株)第一ラジオアイソトープ研究所(本社・東京都中央区)の発行済み全株式を富士写真フイルムに譲渡することで合意し、このほど譲渡契約を締結した。買収額は約200億円で、株式譲渡予定日は10月2日。

富士写真フイルムは10月1日をもって持株会社制移行に伴い、「富士フイルム」がその事業を引き継ぐことが決まっており、第一ラ社は富士フイルムの100%子会社として新たにスタートを切る。新会社名については現在検討が進められている。

第一ラ社は第一製薬グループと米国マリンクロット社との合弁会社として1968年12月に設立されて以来、幅広い検査・診断・治療に使用される多様な製品の研究、開発、製造、販売、輸出入などの事業に取組み、核医学診療の発展に貢献してきた。

現在、放射性医薬品を用いた核医学検査は、疾病による臓器の形態変化が起きる以前の機能変化などを捉えることができる安全性の高い検査で、さまざまな脳疾患、心臓疾患や腫瘍の診断、治療方針の決定や予後の判定などに大きな役割を果している。

富士写真フイルムでは、今回の株式取得により、メディカル事業領域をX線画像診断システムを中心とした形態画像から、隣接分野の核医学画像(機能画像)診断薬、放射性治療薬へと拡大し、今後のメディカル事業の成長につなげたいとしている。

現在、第一ラ社は資本金14億円、売上高約172億円(06年3月期)、従業員420名。主要製品として脳イメージング剤(I123)、心イメージング剤(塩化タリウムTl201)、骨・腫瘍イメージング剤(Ga67)、甲状腺疾患治療薬(ヨウ化ナトリウムカプセル)などを取り扱っている。


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