[原子力産業新聞] 2006年9月28日 第2349号 <2面>

日本原燃 サイクル小委に報告 新遠心機、順調に組立て

日本原燃は、20日開催の電気事業分科会原子力部会の核燃料サイクル技術検討小委員会(委員長=田中知・東大院教授)第2回会合に新型遠心分離機開発、MOX燃料加工技術確証試験などの現状を報告した。

2010年から世界最高水準の遠心分離機による濃縮ウランの生産を目指すプロジェクトは、今年度からカスケード試験を実施するフェーズUに入った。昨年度までに決定した単機最終仕様に基づき、現在、各メーカーが同試験用新型遠心分離機の部品の製造・納入を進め、日本原燃は納入された回転胴のバランシング、組立などを実施。これまでに10台程度の組立を完了、今年度中には予定台数の据付けを完了すると報告した。

最終仕様のコスト評価が当初目標値を超過したため、製造公差や製造プロセスの変更、設計変更、競争原理適用などの検討も推進。長期信頼性の確認では、実機流通試験で設計に対し20%、加速試験の機械的強度で同20%、六フッ化ウラン耐候性で同80%相当期間の実施を終えた。

来年4月着工、12年4月操業予定の六ヶ所MOX燃料工場(J―MOX)の円滑な立上げを目指す確証試験は、来年度に予定している最終段階の品質評価確認試験を前に、今月から1次混合機および2次混合機の運転条件確認試験に入った。

J―MOXの粉末混合工程は、海外で実績のあるMIMAS法を導入するが、使用する原料粉末が日本独自のマイクロ波加熱直接脱硝法(MH法)によるため、この適合性の確認が鍵。今年度当初から実施しているホット試験では、粉末固着などもなく、計画通り進捗していると報告した。


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