[原子力産業新聞] 2006年10月5日 第2350号 <1面>

東電、東通1号機の許可申請 2年後着工へ 新耐震指針を適用

東京電力は9月29日、東通原子力発電所1号機(=完成予想図、ABWR、138.5万kW)の原子炉設置許可を経済産業大臣に申請した。新しい耐震設計審査指針の適用開始後、初めての申請となった。

青森県下北郡東通村に建設する東電・東通1号機は08年11月着工(工事計画の認可)、同12月工事開始(本館基礎掘削開始)、14年12月営業運転開始の予定。柏崎刈羽原子力発電所6・7号機(135.6万kW)と同仕様だが、海水温による熱効率、タービン効率などの向上により、電気出力はやや増加する。

新耐震設計審査指針を踏まえて検討、耐震設計のための基準地震動Ssの水平方向の地震動は450ガル、同じく鉛直方向は300ガルとして、許可申請した。今後、原子力安全・保安院や原子力安全委員会がこの基準地震動の策定プロセスや策定結果の妥当性について、原子炉や各種設備の安全性と合わせて審査することになる。

同社では年内にも準備工事に着手する予定で、併せて東北電力とともに進めている地元漁業組合との補償交渉も早期解決に取組む方針。

東電の原子炉設置許可申請は柏崎刈羽6・7号機の88年以来、18年ぶり。29日は武黒一郎・常務取締役原子力・立地本部長が保安院の森山善範・原子力発電安全審査課長を訪ね、申請書を手渡した。


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