[原子力産業新聞] 2006年10月5日 第2350号 <4面>

[わが国の原子力発電所運転速報] 06年度上半期設備利用率は71.6% 美浜3が試験起動へ

日本原子力産業協会の調べによると、国内原子力発電所の06年度上半期(4〜9月)平均設備利用率は71.6%で、昨年度同期の同70.9%を若干上回った。盛夏の電力最需要期を含む期間とはいえ、昨年度通年の利用率71.9%とほぼ同じ水準。年度上半期で利用率の首位に立ったのは、関西電力の高浜1号機で103.5%、次いで九州電力の川内1号機の103.4%。昨年度同期では高浜2号機の利用率104.6%がトップだった。

一方、9月の平均設備利用率は69.3%、総発電力量は247億4,746万7,000kWhを記録。炉型別では、PWRの利用率83.1%に対し、BWRは60.5%と大きく後退しており、東北電力の女川発電所の3基、中部電力の浜岡発電所の4基など、BWRのうち計11基が月内を通じて停止した影響が現れたものとみられる。9月において、利用率が最も高かったプラントは、関西電力高浜2号機で104.7%、次いで同1号機の103.2%だった。

東京電力の福島第一2号機、同福島第二4号機、関西電力の大飯3号機、中国電力の島根1号機の計4基がこの9月中、定期検査入りに伴い停止した。また、目立ったトラブルはなかった。

関西電力の美浜3号機は、安全確保対策、設備影響評価、長期間の停止を踏まえた機器の点検等が実施されてきたが、同社はこれらを踏まえ、試験的に同プラントを起動することとなり、21日に原子炉起動、26日並列、配管破損事故以来約2年ぶりの発電となった。発電した状態で設備全体の健全性を確認した後、10月3日に停止しプラント全体の点検に入っている。


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