[原子力産業新聞] 2006年10月12日 第2351号 <3面>

ロシア 原子力産業複合体を創設 15年までに10基運開へ

ロシア政府は4日、原子力発電開発および核燃料サイクル関連事業の拡大を盛り込んだ「原子力産業複合体創設プログラム」を閣議決定した。M.フラトコフ首相は同プログラムについて、エネルギー安全保障を確立し、ロシア経済の進むべき方向を示すものとの認識を示し、「ロシアの長期に渡る経済発展を決定付ける」と高く評価した。

同プログラムの対象期間は2007〜2015年。総額1兆4,714億ルーブル(連邦政府予算から6,748億ルーブルを拠出)を投じ、@年間あたり200万kWの原子力発電設備をシリーズ建設A世界の核燃料サイクル分野での市場シェアを拡大B原子力プラント輸出を通じた海外への技術移転――等を実施する。

特に国内での原子力発電開発に関しては、ロストフ2号機(VVER1000、100万kW)とカリーニン4号機(同)の建設完成が明記されており、それぞれ2009年、2011年に運開を予定している。ほかにも2007〜2008年に計3基のVVER1000型炉をノボボロネジ・サイトおよびレニングラード・サイトにシリーズ建設し、2012〜2013年の運開を目指すこと、また2009〜2015年にかけて、年間2基のVVER1000型炉(建設期間:5年)をシリーズ建設すること、などが明記されている。

核燃料サイクルの完結に不可欠なFBRについては、FBR実証炉であるベロヤルスク4号機(BN800、80万kW)を着工し、2012年の運開を目指すとしている。

これによりロシアは2015年までに、新たに10基(計980万kW)が運開し、10基(計1,000万kW)が建設中となる見通しだ。


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