[原子力産業新聞] 2006年10月19日 第2352号 <1面>

愛媛県・伊方町 伊方3プル計画を事前了解 「県民の信頼に応える」常盤社長

四国電力は13日、愛媛県と伊方町から伊方発電所3号機(PWR、89万kW)のプルサーマル計画について事前了解を受けた。同日、愛媛県庁で加戸守行知事、伊方町役場で山下和彦町長が、同社の常盤百樹社長に事前了解書を手交した。加戸知事は新耐震設計審査指針に基づく再評価などを要請。常盤社長は、「ご理解頂いた県民の皆さんの信頼に応えるよう、安全には万全の上にも万全を期す」とした。

加戸知事は今回の判断に関し、「国の安全審査や県の伊方原子力発電所環境安全管理委員会の意見により安全は確保されたと考える」とするとともに、県民理解も「一部反対の声があることは十分承知しているが、大方の県民の理解は得られたものと考える」と述べた。

県は事前了解に際して同社に、@導入の各段階における適切な安全確保A伊方発電所の品質保証体制と安全管理体制の充実・強化B実施までに新耐震指針の再評価結果の確認を受けることC県民の一層の理解促進と不安解消に努めること―などを要請。耐震性に関しては、プルサーマル計画固有の問題ではないが、不安の指摘があることは事実で、再評価結果を国と県が判断し、この解消につなげたいとした。また、「県と四国電力は原子力発電、伊方発電所に関して運命共同体との考え方を取ってきた」とし、県も大きな責任を担っているとの認識を示した。

常盤社長は、愛媛県への同社原子力本部の移転の要望について、「当社としてトップマネジメントの問題もある。何が出来るか地元の意見を聞き検討したい」とした。

同社が県と伊方町に事前協議を申し入れたのは04年5月。同社、県、国がシンポジウム、公開討論会などを随時開催。県と伊方町は04年11月に国への許可申請を了解、国は今年3月に許可していた。

今回の地元自治体の事前了解により、同社は10年度までの導入を目指し、MOX燃料の手配など本格的な作業に入る。伊方3号機では原子炉内燃料157体中、40体にMOX燃料を使用する計画。


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