[原子力産業新聞] 2006年10月19日 第2352号 <1面>

エネ庁、予算総額70億円で 高除染プロセスを開発

資源エネルギー庁がFBR用の次世代再処理工場から回収するウランを、軽水炉サイクルで利用するための回収ウラン転換前高除染プロセスを開発する計画を打ち出している。来年度概算要求に約6億円を盛込み、2015年度までの9年間で予算総額約70億円を予定する。

この計画は、商業用FBR導入後も既存の軽水炉が長期間にわたり併存するため、ウラン資源の観点からFBR使用済み燃料を再処理して得られるウランを軽水炉燃料として再利用することが不可欠との判断による。

FBR使用済み燃料の再処理技術は、日本原子力研究開発機構が中心となり開発中の先進湿式法が有力候補だが、同方式を含め線量の高い核分裂生成物やマイナーアクチニドをウラン・プルトニウム製品に残留させたまま回収する方法が有力。高い核不拡散性を確保、廃棄物量も低減できる。

しかし、既存の軽水炉燃料製造施設は線量の低いウランの取扱いが前提。高線量のウランを扱うには、新しく遠隔自動化による燃料製造工場を建設することが必要となるが、巨額の設備投資が必要で、実現困難と想定される。

回収ウラン転換前高除染プロセスは、高線量のウランをUF6へ再転換前に高除染し、既存燃料製造施設での取扱いを可能とする。08年度までに軽水炉からFBRサイクルへの移行シナリオを明らかにし、09年度を目途に除染候補技術の洗出しや候補技術の基礎研究を実施。15年度までに除染係数(DF)100以上を達成した工学プラントでプロセス試験を行い、商業的な実効性の検証を目指すという。併せてプルトニウムやウランのマスバランスの検討、経済性の評価なども行う。

原子力立地・核燃料サイクル産業課では、先月の電気事業分科会原子力部会の核燃料サイクル技術検討小委員会でも趣旨を説明、各委員から賛同を得た。


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