[原子力産業新聞] 2006年10月19日 第2352号 <2面>

伊吹文科大臣に聞く ウラン資源は有効利用を

伊吹文明・文部科学大臣はこのほど、本紙の加盟する科学記者会のインタビューに応じた。現在、安倍新内閣のもとで、教育再生が重要課題となっているが、今回は特に科学技術・研究開発の分野で、就任に際しての抱負などを語ってもらった。

先ず、「自身は『族議員』ではない」と言明する伊吹大臣、今年度に始まった第3期科学技術基本計画については、「根拠となる科学技術基本法が議員立法なのには驚き」と述べ、「これを着実に実行していくこと」が肝要と強調。文部省と科学技術庁が一緒になり、将来の科学技術を創造する人材育成、大学を中心とする基礎研究を、実用化へと結び付けていく「つなぎ」の部分に文科省の役目があるとし、約2兆5,000億円の予算(来年度科学技術関係概算要求額)を適切に使っていきたい、と意気込みを見せる。

「核兵器の洗礼を受けた唯一の国という不幸な国民心理もあるが」とした上、石油価格上昇はほんの目先のことで、長い目で化石燃料は枯渇していくのだから、当面はウラン資源を有効利用できるよう、プルサーマル、高速増殖炉など、技術開発を進めていく必要を明言。発電過程でCO2を排出せず「環境に優しい」ということも国民に理解してもらうよう努め、何よりも「事故を起こさぬよう、隠さぬよう」従事する人たちに対し訴える。将来の核融合、水素社会も見据え、原子力を「一番大切なエネルギー」として、電力会社も「真正面から取り組むべき」と要望。

高等教育については、「専門馬鹿ではいけない」と述べ、ノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士が平和運動にも尽力したことを上げ、「リベラルアーツ」を身につけた科学者が育っていくことを期待する。

「趣味の料理、腕前の方は?」、「僕は何でも」と答え、自身の後援会誌では得意料理にまつわる連載が好評を博し、「『大臣の食卓』と題する本でも出したい」とまで語る。

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衆院議員。京大卒後、大蔵省入省。83年に政界入りし、労働相、国家公安委長など歴任。京都出身。68歳。


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