[原子力産業新聞] 2006年10月19日 第2352号 <3面>

テキサス州で建設計画乱立 4社が原子力発電所を検討

米国最大の原子力発電事業者であるエクセロン社は6日、先月発表した建設・運転一体認可(COL)の申請方針について、現在テキサス州内の8地点を評価している段階であることを明らかにした。

同社は先月29日、2008年をメドに原子力規制委員会(NRC)へCOLを申請する計画を発表していた。炉型はゼネラル・エレクトリック社製のESBWRや、ウェスチングハウス社製のAP1000などが挙げられている。

テキサス州では電力需要の伸びが著しく、「2013年までには州内の電力供給の安定性を維持できないレベルになる」(テキサス電力信頼度協議会:ERCOT)と予測されている。またテキサス州は天然ガスへの依存度が高く、以前から天然ガス依存度の低減も課題となっている。

こうしたことからテキサス州では、原子力発電が長期的な解決策として注目を浴びており、テキサス州のサイトを対象としたCOLは、NRGエナジー社やTXU社が申請方針を表明しており、アマリロ電力(小規模の地方電力)も合わせると計4社がテキサス州への立地を検討していることになる。

NRGエナジー社とTXU社は、プロジェクト・リスクを最小限に抑えるため、共同建設を提案しているとも言われている。こうした動きに対しエクセロン社は、「自社所有の原子力発電所をテキサス州に建設する」としながらも、他者と共同建設の可能性も「オプションのひとつ」として否定はしていない。


Copyright (C) 2006 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.