[原子力産業新聞] 2006年10月19日 第2352号 <4面>

三菱重工 美浜3事故後の改善状況を発表 一次系製作プロセス等も点検

三菱重工業は11日、04年8月に発生した関西電力・美浜3号機での二次系配管破損事故の発生以降の、2年間にわたる改善活動状況について発表した。

同社は事故以来、社長を委員長とする「原子力社内改革委員会」を設置し、不適合の再発防止に向けた行動計画を策定、社員の意識改革、仕事の仕組みなど原子力事業の社内改革を推進してきた。

行動計画は、@不適合に関する直接的な要因の排除A類似不適合の再発防止策の水平展開B不適合の未然防止に向けた原子力部門の体質強化のための品質管理システム再構築――を柱に展開してきた。

具体的には、社内の管理要領、同社と関連会社の業務分担見直し、人的エラーを考慮して業務の電算化を図ってきた。

事故は高砂製作所が所掌する二次系配管工事で発生したが、一次系を所掌する神戸造船所の設計、製作プロセスについても点検の結果、同様の不適合が発生する可能性がないことを確認した。

また、類似不適合の未然防止として、配管以外の原子力製品についても設計、製作、調達に関する業務プロセスの点検を行い、改善活動を展開中としている。

原子力事業本部の事業所に対する監査、モニタリング活動はすでに強化・運用しており、今後は事業所自身の内部監査機能の強化などに努め、自らの問題点を抽出し改善に取り組んでいく活動を推進していく方針だ。


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