[原子力産業新聞] 2006年11月2日 第2354号 <2面>

日韓で活発な意見交換 原産協会がセミナー開く

日本原子力産業協会は10月23、24日、アジュール竹芝(東京・港区)で、第28回日韓原子力産業セミナー(準備委員長=樋口勝彦・九州電力常務取締役)を開催した。韓国原子力産業会議との共催で毎年、情報交換の場として開かれている。

冒頭、服部拓也・原産協会副会長は、世界各国で原子力発電の重要性が再認識されつつある中、本セミナー開催は「誠に時宜を得たもの」と述べ、日韓共通の課題への取組を通じて、両国原子力産業界の相互交流が一層深まることを期待した。

韓国側参加者を代表して、リュ・テファン(柳台桓)韓国原産会議理事は、石油価格高騰、地球温暖化問題が深刻化する中、「エネルギーは今や国の運命を左右する重要課題」とした上、資源に恵まれぬ国情から、原子力を不可欠のエネルギー源として推進していくため、安全性・信頼性の向上を図るよう、幅広い人的ネットワーク、グローバルな協力体制が構築されることを訴えた。

基調講演で、カン・ホウォン(姜鎬原)韓国水力・原子力発電古里発電所本部長はまず、17年には総発電設備容量のうち原子力の占める割合が約30%にまで達するなどとして、今後も原子力エネルギーを基幹電源として据えていく姿勢を披露、かつて批判的だった環境団体までもが原子力を支持するようになったことをあげ、近い将来の「原子力の大復興期」を展望した。カン本部長は、技術・設計のたゆまぬ努力で、国内原子力産業が、部品をカナダ、ブラジルなどへ輸出するまでに成長したほか、研究開発部門でも、SMART炉開発、第4世代炉国際プロジェクト参加など、進展ぶりを強調した。また「原子力は大事な資産」との認識を示し、今後は原子力を導入する国と、自国の経験・技術を共有していく考えを表明した。


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