[原子力産業新聞] 2006年11月2日 第2354号 <3面>

米ウェスチングハウス社 PBMR受注目指す

米ウェスチングハウス社(WH)はこのほど、南アフリカのPBMR社が開発中のペブルベッド燃料・モジュラー型炉(PBMR)について、今後10年内に商業炉を本格的に受注する方針であることを明らかにした。

これはR.メツィエ技術担当上級副社長が明らかにしたもので、WH社はPBMR社株の15%を保有している。

メツィエ上級副社長は、「PBMRは地域の需要に対応したモジュラー型である上に、水素製造などの熱利用も可能で、市場の裾野は広い」との認識を示し、AP1000とは異なる市場をターゲットとすると強調した。

PBMRは、商業炉段階では16万5,000kWの出力を見込んでいる小型高温ガス炉。南アフリカ電力公社(ESKOM)によって1993年から実用化の検討が進められ、現在はPBMR計画の事業主体として設立されたPBMR社が具体的な作業を進めている。PBMRの実証炉(出力11万kW)は2007年に建設を開始し、2010年に完成する見込みだ。またPBMR社は、2007年にも米原子力規制委員会(NRC)に対してPBMRの設計認証を申請する予定だ。

なおWH社は昨年12月、PBMR実証炉の原子炉防護システム、手動停止システムおよび事故後計装システムの基本設計などを、PBMR社から受注(契約総額約260万ドル)している。


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