[原子力産業新聞] 2006年11月2日 第2354号 <3面>

EU電力市場統合へ向け一歩 3か国が統合

オランダ、フランス、ベルギー3国の電力取引所(APX、パワーネクスト、ベルペックス)は10月27日、各国規制当局の承認を得て、今月21日から3国の卸電力市場を統合することを発表した。

これまで3国の電力系統は、ベルギーを間に挟み、ベルギー=フランス間とベルギー=オランダ間が連結されていた。今回の統合により、3国は単一の市場で、単一の卸電力料金で電力取引を行うことになる。

今回統合される電力市場の取扱量は、EU全体から見れば5〜10%にすぎない。EU各国間を結ぶ系統線の容量不足や、各国のエネ・セキュリティの観点から、EU単一の電力市場の創設は足踏み状態にある。

しかし2008年にノルウェー=欧州間の海底ケーブルが完成すれば、北欧電力市場(ノルドプール)との統合の可能性も開け、ゆくゆくはドイツの欧州エネルギー取引所(EEX)が加わる可能性もあると考えられている。


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