[原子力産業新聞] 2006年11月2日 第2354号 <3面>

欧州委員会 デコミ基金の整備を勧告

欧州委員会は10月24日、EU加盟各国に、デコミ基金を適切に整備するよう勧告した。

デコミ基金は、原子力施設のデコミだけでなく使用済み燃料・廃棄物の管理などバックエンド全般をカバーする。

発生者責任の原則に基づき、EU各国の原子力事業者は将来のバックエンド資金を積み立てている。しかし各国のデコミ基金の積み立てルールはまちまちで、事業者によっては必ずしも十分な基金を積み立てていないケースもあり、発電部門の競争の観点から不公平が指摘されていた。域内エネルギー市場の完全統合を目指すEUとしては、これは座視できない問題だ。

ピエバルグス・エネルギー担当委員は、「2025年までにEU域内で運転中の原子力発電所の3分の1がデコミされる」と指摘。デコミ基金のルールをEU各国が整備し、専門的知見を持った国営の独立機関が管理することが望ましい、との見解を示した。

今後欧州委員会では、EU各国のデコミ基金への対応状況を評価する体制を整える計画だ。


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