[原子力産業新聞] 2006年11月9日 第2355号 <2面>

FBR開発方針まとまる パブコメ踏まえ最終案

文部科学省の原子力分野の研究開発に関する委員会の原子力研究開発作業部会(部会長=田中知・東大院教授)は、10月26日、第17回会合を開催、『高速増殖炉サイクルの研究開発方針について―「高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究フェーズU最終報告書」を受けて―』についてパブコメを踏まえた最終案を審議し、同案を了承した。これにより作業部会は同報告書に関する審議を終了した。

9月15日から10月14日まで実施されたパブコメでは、9名から合計76件の意見が寄せられた。「実証炉の立地が課題であり解決の方針を報告書に含めるべき」、「世界標準に向け日本の技術のアピールが重要」、「国際的な技術競争力のある開発のため2025年実証炉運転開始の前倒しもありえる」、「世界の専門家によるピア・レビューを期待する」など、研究開発の推進を求める意見が多かった。

会合では意見に対する考え方を検討、一部記述の修正案を了承した。

高速増殖炉サイクルは同報告書により、「実用化戦略調査研究」から「実用化研究開発」に移行。当面は2010年頃からの大型試験施設や実証炉の設計開始に向け、主概念であるナトリウム冷却高速増殖炉(MOX燃料)の革新的技術の13課題、同じく先進湿式法再処理と簡素化ペレット法燃料製造の革新的技術の12課題に重点的に取組むことになる。

なお、親委員会である原子力分野の研究開発に関する委員会も10月31日の会合において、同最終案を了承した。


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