[原子力産業新聞] 2006年11月9日 第2355号 <4面>

三菱重工 医療機器に本格参入 国産初のX線治療装置製造へ 年商100億円めざす

三菱重工業は、放射線治療装置を軸とする医療機器事業を拡大していく方針で、将来的には年間100億円規模をめざす。そのための第一弾として、放射線治療装置を製造する専用工場を広島製作所(広島市西区)に新設し、10月30日に竣工式を行った。

製造する放射線治療装置は、エックス線をがん患部に照射し、治療を行う装置。欧米ではすでに多くの装置が開発されているが、現状では国産のものはなく、同社製のものが唯一の国産装置となる。

エックス線透視装置を2基装備し、位置決め誤差0.1mm以内という世界最高レベルの正確な放射線照射を可能としたもので、同社ではすでに実証機を製造し、現在、神戸市の先端医療センターで実証試験を行っている。また現在、厚生労働省に薬事法に基づく製造販売の認可申請中で、承認取得後、医療機器の本格的な製造・販売に乗りだす。

竣工した工場は、既存の工場建屋を一部改装して専用の組立て工場としたもの。工場全体を4分割し、同時に4基の装置を組み立てられる。今後、需要動向を見極めながら、より生産能力の高い専用工場の新設も検討していくとしている。


Copyright (C) 2006 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.