[原子力産業新聞] 2006年12月7日 第2359号 <1面>

IAEA 事務局長が各大臣と 協力関係強化を確認

エルバラダイ事務局長は30日と1日、平沢勝栄・内閣府副大臣、甘利明・経済産業相、伊吹文明・文部科学相などと相次いで会談し、世界が原子力の恩恵を最大限に享受できるよう、引き続き日本との協力を強めていく考えを述べた。

平沢副大臣との会談には近藤駿介・原子力委員長も同席。IAEA設立五十周年記念事業の一環として来年4月に青森で開催予定のシンポジウムに関し、協力することを確認するとともに、北朝鮮の核問題について意見交換、緊急かつ深刻な問題との認識を共有した。

甘利経産相との会談で事務局長は、エネルギー安全保障、環境問題の観点に加え、途上国の経済成長に伴い、原子力発電の重要性を指摘した上、革新技術の開発に努める必要を強調。安全確保に関し、チェルノブイリ事故が教訓となったと述べたのに対し、甘利経産相は、「原子力の推進と安全は一体。世界中どこの事故も自国の事故としてとらえる」との認識を示し、世界の原子力技術水準が向上するよう、わが国としてもIAEAを強力にサポートしていく考えを表明した。

また事務局長は、今回の来日で産業界とも懇談し、日本も原子力発電所の輸出を進めていくべき、との自らの考えを示したことを伝えた。


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