[原子力産業新聞] 2006年12月7日 第2359号 <2面>

勝俣会長 新安全規制の相互理解 国のリーダーシップを

日本動力協会は11月30日、東京の経団連会館で「エネルギートップ講演会」を開催し、電力、石油、ガス、石炭、日本電機工業会の各代表が講演した。

「最近の電気事業の課題とその対応」と題して講演した電気事業連合会の勝俣恒久会長は、近年のエネルギー価格の上昇により、日本のエネルギー輸入金額は05年度に16兆3,000億円に達し、総輸入金額の約27%を占めたと述べ、そのうち石油は71%となったと指摘した。

原子力発電の利用率向上の環境整備については、定期検査の柔軟化など新しい安全規制の08年度からの導入が予定され、国がリーダーシップを発揮して、地元に分かりやすく説明し、自治体との相互理解を図ってほしいと要望した。

また近年の電力需要の鈍化に言及し、東京電力を例に、年間約90億kWhの平均伸びとすると、ABWR1基を新規導入し稼働率80%で運転した場合、その需給格差を埋めるのには3年を必要とすることになり、投資回収も遅れるため、「今後は発電所の広域的な運用も視野にいれて取り組む必要がある」と述べた。

勝俣会長はプルサーマル計画についても触れ、東京電力の社長として、「電力のリーディング・カンパニーとして、当社が時間はかかるかも知れないが具体的に推進させることが責務であると考えている」とした。


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