[原子力産業新聞] 2006年12月14日 第2360号 <2面>

文科省学術審 J―PARC運用の検討開始 産業利用、運営費等議論

文部科学省の科学技術・学術審議会の大強度陽子加速器計画評価作業部会(主査=井上明久・東北大学総長)は5日、第1回会合を開催、J―PARCの運用・利用体制、運営経費の考え方などの検討を開始した。

本会合では、永宮正治・J―PARCセンター長が「J―PARCの概要と課題」を説明。現在約70%に達した建設進捗状況、イオンソースからの水素ビーム発生とリニアックの初段加速の成功などを報告。課題としては、@光熱費70億円、維持費49億円など年間合計190億円と想定される運転経費の創出方法A建設組織から運営組織への移行などセンターの育成方法B供用指針の確認および課題審査方法の確立C国内外に開かれた施設とする方策Dリニアックのエネルギー増強とU期計画の推進――などを挙げた。

委員からは、産業界の利用促進の方策、運営経費の低減策などについて意見や質問が出された。

作業部会では今後、学際複合施設としての適切な運営体制の構築、各種実験施設における円滑な利用体制の構築、外部利用のあり方、運転・維持費など運営経費の考え方、リニアックの性能回復、第2期計画の施設整備、国際的に開かれた施設の考え方などについて検討を重ね、来年5月頃を目途に評価報告書を取りまとめる予定。


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