[原子力産業新聞] 2007年1月5日 第2361号 <2面>

IEA事務局長に田中氏 欧州以外から初の選出

第1次石油危機後の1974年に石油消費国などが経済協力開発機構(OECD)の枠内に設立した国際エネルギー機関(IEA)の次期事務局長に、旧通産省出身の田中伸男・OECD科学技術産業局長(56歳=写真)が選出された。

12月14日にシドニーで開かれたIEA理事会で満場一致で選出されたもので、欧州以外からの選出は初めて。マンディル現事務局長の後任で正式就任は9月、任期は4年。

IEA加盟国は現在26か国、うち20か国が欧州、アジアでは日本と韓国のみ。本部はフランス・パリ。

田中氏が欧州以外から選出された背景について、経済産業省の北畑隆生・事務次官は「未加盟の中国、インド、ロシアといった国とのブリッジ役になれるという面もあったのではないか」と述べた。

日本人が初めて国際機関のトップになったのはOECD/原子力機関(NEA)事務局長に88年に就任した植松邦彦氏(後に元動力炉・核燃料開発事業団副理事長)の例がある。

田中伸男氏(たなか・のぶお)1972年東大経済学部卒、77年米国ケース・ウエスタン・リザーブ大学MBA取得。73年旧通産省入省、87年資源エネルギー庁原子力産業課国際原子力企画官、98年在米日本大使館公使、02年同省通商機構部長、04年から現職。


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