[原子力産業新聞] 2007年1月5日 第2361号 <2面>

保安院 遠野市に直接要請 市がボーリング反対で

原子力安全・保安院の委託を受けて、原子力機構が岩手県遠野市で高レベル放射性廃棄物の地層処分場の規制・安全基準作りのデータなどを収集するため、今年度に計画しているボーリング調査について、本田敏秋市長が11月30日に反対を表明したことについて、倉崎高明・放射性廃棄物規制課長が12月15日に市長を訪ね、調査趣旨を説明して協力を依頼した。

同調査は原子力発電環境整備機構が実施主体になって実際の処分場の建設をめざした調査ではなく、その安全審査などに対応するため、行政庁として安全評価手法などの確立に向けたデータ収集などを目的としたもので、同課長は「地元の意見に反して概要調査地区等に選定されることはない」と改めて表明した。

ボーリング調査は、地下深部の地下水流動を支配する岩盤性状および断裂などの地質構造や透水性を把握するため、400m級1本を掘ることを計画している。

しかしながら、同日には遠野市議会も反対決議を行っており、具体的な理解の進展はなかった。


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