[原子力産業新聞] 2007年1月11日 第2362号 <3面>

独首相 脱原子力政策は見直さず

メルケル独首相は2日、3月に開催される第3回エネルギー・サミットで脱原子力政策の見直しに関する議論は行わない方針を明らかにした。

これは首相がフィナンシャル・タイムズ紙とのインタビューの中で明らかにしたもの。同首相は、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は脱原子力政策に反対しているが、社会民主党(SPD)が脱原子力政策の堅持を主張しているため、「見直しを議論したところで、出口はない」と、脱原子力政策の見直しを否定。

また、電力会社による最近の発電電力量移転の動きについて「脱原子力政策の見直しを見越して時間稼ぎをしている」と指摘する向きに対し、「(発電電力量の移転は)原子力法に規定されている手続き。電力会社は合意したルールを守らねばならないし、ルールは変わらない」との考えを強調した。ただし個人的には「原子力発電所が順調に稼動している限り、脱原子力政策は支持できない」と述べる一方、「SPDが意見を変えない限り見直しはありえない」との苦しい立場を明らかにした。


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