[原子力産業新聞] 2007年1月18日 第2363号 <1面>

安倍首相 英独首相と会談 環境、核不拡散で合意

欧州を歴訪した安倍晋三首相は9日、英国のブレア首相とロンドンで首脳会談(=写真上)を行い、共同声明を発表した。

声明では、両国が「戦略的パートナー」であることを強調し、国際的安全保障の増進については、核不拡散条約(NPT)に基づく国際的な軍縮・不拡散体制を強化し維持することの重要性を再確認し、その関連でNPT運用プロセス、拡散に対する安全保障構想(PSI)における協力をさらに進めていく、としている。特にイランについて、「すべての濃縮関連・再処理活動の完全な停止を含め、IAEA理事会および国連安全保障理事会が要求する措置を講じていないことに対して深刻な懸念を表明する」と強調している。

気候変動への取組みについては、喫緊の要請である気候変動とエネルギー安全保障との取組みを連携させ、両国が協力していくことを確認した。また引き続き低炭素社会に向けた科学技術の共同研究でも協力していくことで一致した。

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引き続いて安倍首相は10日、ドイツのメルケル首相とベルリンで首脳会談(=写真下)を行った。

現在、ドイツが欧州理事会の議長国を務めている関係もあり、メルケル首相は「気候変動分野において日本は特別の役割を果す国」と述べ、「EUとしては現在、ポスト京都議定書の戦略を練っているところであり、今後日本とも協議していきたい」とした。

安倍首相も2013年以降の枠組みについて、「米国、インド、中国などの主要国が参加する真に実効的なものとしなければならない」と述べ、今後ともドイツおよびEUとも話し合っていきたい、と伝えた。

先進国首脳会議(G8)が今年ドイツで、来年に日本で開催されることから、会議の成功に向けて、両首脳は緊密に協力していくことでも一致した。


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