[原子力産業新聞] 2007年1月18日 第2363号 <2面>

エネ調・保安部会 余裕深度処分規制で報告書 50m以深とする方向

総合資源エネルギー調査会の廃棄物安全小委員会(委員長=石榑顕吉・東京大学名誉教授)は12月25日、低レベル放射性廃棄物余裕深度処分の安全規制について、報告書案をとりまとめ、埋設深度は地下50m以深が適当とする方向を示した。今後の施設の設計、廃棄体の技術基準、安全レビュー、モニタリング等、技術的検討は、ワーキンググループで行う。

廃止措置に伴う放射能レベルの比較的高い炉心等廃棄物や、再処理施設、MOX燃料加工施設から発生するTRU廃棄物については、将来の地下利用が制約されない十分余裕を持った深度に処分する考え方が原子力委員会により示されている。02〜06年にかけて、日本原燃によるボーリング調査も実施されているが、余裕深度処分の今後の事業化を控え、原子力安全・保安院では具体的な技術基準の整備に向けた審議を進めてきた。

埋設深度については、現在のところ省令では定められていないが、一般的な地下利用の状況調査から、少なくとも地下50m(地下鉄・大江戸線最深部に相当)以深とする方向で検討することが適当とした。既処分の発電所廃棄物と比べ、対象廃棄物は多様な形態となることから、廃棄体の技術基準については、学会の確認基準を活用することも示している。また、長期間にわたる事業を見据え、発電所同様に安全レビューの重要性にも言及し、これらの技術的検討は、同小委員会下の安全WGで進めることとした。


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