[原子力産業新聞] 2007年1月25日 第2364号 <3面>

アトムプロム社発足に向け前進 設立法案がロシア下院を通過

ロシア下院は19日、原子力産業複合体設立法案について最終的な採決を行い、賛成351、反対57で可決した。同法案は昨年12月6日に下院の第1次ヒアリングを通過(賛成368、反対51)。その後の今月17日の第2次ヒアリング(賛成372、反対43)を経て、最終採決が行われた。今後、同法案は上院に送られ、上院可決後に大統領の署名を得て成立する。

新たに設立されるアトムプロム社は、100%国営の持ち株会社で、ウラン鉱山開発・燃料加工・発電・機器製造から核燃料サイクルに至るまで、民生用のすべての原子力施設を所有・運転する。ロスエネルゴアトム社、TVEL社、TENEX社などもアトムプロム社の傘下に入り、ロシアの原子力産業界が、軍事用と民生用に明確に分離される。また民生用原子力関連輸出がロシア原子力部門の収益の90%を占めているため、民生用原子力部門を統合することで国内企業間での不要な衝突を避け、仏アレバ社など世界的な原子力産業グループに対し、競争力を高めるねらいもある。

なお、同法案に反対したのは共産党で、「現在うまく機能している原子力産業界を再編する必要はない」と主張。ロシアの原子力部門を軍事用と民生用に分離することに強く反対している。


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