[原子力産業新聞] 2007年2月1日 第2365号 <2面>

日本原燃 再処理工場試験で 第3段階を開始

日本原燃は1月29日、使用済み燃料を用いた六ヶ所再処理工場アクティブ試験の第3ステップを開始した。三村申吾・青森県知事は同日、県庁において、兒島伊佐美・日本原燃社長に第3ステップへの移行を理解する旨を伝えた。

19日の青森県議会説明、23日の六ヶ所村議会協議を経て、26日に青森県は市町村長会議と原子力政策懇話会を開催したが、第3ステップ移行へ特段の異論は出なかった。

第3ステップ開始に当たり三村知事は、ヒューマンエラーの防止、わかりやすい広報に努め、安全確保第一の心構えで今後の試験に臨むよう兒島社長に要望。これに対して、兒島社長は「慣れや慢心によるトラブルの未然防止と、技術・技能の向上に、協力企業と一体となって取り組む」と応えた。

第3ステップでは、前処理施設のせん断処理施設と溶解施設の系列を変更、BWR50トン、PWR20トンの使用済み燃料を用い、せん断、溶解性能、分離・分配性能、線量当量率および空気中の放射性物質濃度、環境への放出放射能等の確認を行う。これら試験を通じ、連続運転に向けて習熟し、第4ステップ以降に計画する工場全体の試験につなげていく。

昨年3月に開始された再処理工場アクティブ試験は、8月12日〜12月6日に第2ステップとして、PWR燃料50トン、BWR10トンの使用済み燃料を処理、ウラン・プルトニウム混合脱硝性能を確認・評価し、MOX粉末の生産も開始した。また、第1ステップで発生した分析建屋における作業員の内部被曝を踏まえた適切な分析手法についても確認した。

12月26日に原燃は、第2ステップ報告書を国へ提出、保安院、安全委員会は翌月18日までに、次ステップ移行は妥当と評価し、青森県にも報告した。


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