[原子力産業新聞] 2007年2月15日 第2367号 <2面>

岡本行夫氏、新聞協会で講演 中国の原子力発電に協力を

国際問題アドバイザーの岡本行夫氏が1月24日、東京都内で開かれた日本専門新聞協会主催の新春講演会で、「大転換する国際情勢と日本の対応」と題して講演した。

同氏は、現在の国際状況を旧ソ連崩壊に伴う冷戦終結より大きな、「戦後最大の転換期」と捉え、その理由を“中国の台頭”と説明。その経済成長の規模は日本の経済成長前の27個分、世界がもう1つできるほどの規模だと述べた。

このような中国を前にして、「日本は資源確保ができるのか」と問題を投げかけた。中国は戦略的にものごとを進めており、例えば高硬度工具に使うタングステンを中国は世界の89〜90%を生産するが、さらに残りの10%も押さえようとしている、と指摘。石油生産についても、「日本が中国の原子力発電所建設に協力しなければ、両国が石油を取り合うことになる」と述べた。

一方同氏は、北朝鮮の核とどう向き合うかが重要とした上で、「日本の核武装論は10分も議論すれば結論が出る問題だ。それは世界中から制裁を受けるからだ」と述べ、対策としては「米国の核抑止力に頼るしかない」とし、そのためには米国との信頼関係が重要で、日本を攻撃すれば米国の報復を必ず受けると北朝鮮の指導者に認識させることが、不可欠と強調した。


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