[原子力産業新聞] 2007年2月15日 第2367号 <3面>

タイ エネルギー省 原子力発電導入を検討

タイ国のエネルギー省は6日、原子力発電導入計画を検討していることを明らかにした。

同国の2006年の最大需要電力は2,110万4,000kW。その後2011年までに年率5.95%、2012〜2016年には年率6%、2017〜2021年には年率5.51%で増大し、2021年の最大電力需要は5,022万3,000kWになると予測されている。

そのためエネルギー省は、3,230万7,000〜3,287万7,000kWの発電設備容量の増強を計画。3つのオプションの1つとして、2020〜2021年頃に計500万kWの原子力発電所を運開させることを検討している。残る不足分の設備容量は、石炭火力と天然ガス火力を建設する計画だ。

他のオプションとしては、@2,170万kWの石炭火力と350万kWの天然ガス火力A280万kWの石炭火力と2,240万kWの天然ガス火力――の2つが挙げられている。

いずれのオプションでも予測される最大需要電力には程遠く、ラオス、ミャンマー、中国など近隣諸国からの電力輸入は避けられない。

エネルギー省は計画案を7日に開催するエネルギー政策に関する公聴会で発表する予定だったが、公聴会会場にプラチュアプキリカン県からの抗議団体が大挙して押し掛ける意向を示し、公聴会自体が急遽キャンセルされた。

同団体は原子力に限らず、同県でのあらゆる発電開発計画に徹底して反対する姿勢を貫いている。2002年には2基の石炭火力発電所の建設計画を、政府に撤回させた実績がある。


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