[原子力産業新聞] 2007年3月1日 第2369号 <3面>

米テキサス州の電力会社を買収へ 投資ファンドのKKRら 環境重視を旗印に

世界有数の投資ファンドであるコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、テキサス・パシフィック・グループ(TPG)、投資銀行のゴールドマンサックスは2月26日、電力会社のTXU社の買収を発表した。TXU社は、コマンチェピーク原子力発電所を所有・運転するテキサスの電力会社。買収額は450億ドルで、LBO(買収先の資産を担保にして資金を調達する買収)としては過去最大規模になる。

TXU社も同日、売却を認め、新経営方針を発表。投資ファンド側の「環境重視」方針に従い、石炭火力発電所の建設計画を11基から3基に削減するなど環境面に配慮した姿勢を示した。ただし既存の原子力発電所や原子力発電開発計画については、まだ一切言及されていない。

TXU社が昨年8月に発表した原子力発電開発計画は、1〜3サイトを対象に200万〜600万kWの原子力発電設備容量を建設すると明記。来年の10〜12月頃に米原子力規制委員会(NRC)へ建設・運転一体認可(COL)を申請し、2010〜2011年頃にCOLを取得。2015〜2020年頃に初号機の運開が予定されていた。


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