[原子力産業新聞] 2007年3月8日 第2370号 <3面>

ロシアの原子力発電開発計画 08年よりAES2006を建設

昨年10月にロシア政府が決定した原子力発電開発プログラム−−2007〜2015年を対象に、総額1兆4,714億ルーブルを投じ、年間あたり200万kWの原子力発電設備容量をシリーズ建設することを掲げているが、このほど具体的な建設計画の詳細が明らかになった。

建設中のロストフ2号機(VVER1000、100万kW)とカリーニン4号機(同)の完成(それぞれ2009年、2011年に運開を予定)に加え、ノボボロネジ第U期1、2号機(AES2006、各110万kW)とレニングラード第U期1号機(同)を2008年にも着工。いずれも2013年の運開を目指す。

AES2006はVVER1115やVVER1200とも呼ばれ、VVER1000の出力(100万kW)を向上させたロシアの最新型PWRだ。

また高速炉開発にも力を入れており、BN800の名で知られるベロヤルスク4号機(FBR、80万kW)を年内に着工。2012年に運開させる。

ロシア原子力庁のV.ラチコフ原子力発電局長によると、「いずれの建設計画も政府が決定した連邦特別プログラム(原子力発電開発プログラム)に明記されており、達成が義務付けられている。資金も手当て済みだ」という。

さらに同局長は「2014年頃には年間あたり400万kWの原子力発電設備容量を建設する決定が下される」と指摘。旧ソ連時代は年間あたり300万kWのペースで建設した経験があり、不可能な数字ではないと強調した。

また建設が中断されているバラコボ5号機(VVER1000)とクルスク5号機(RBMK1000)について同局長は、「両機とも政府のプログラムには入っていない」としながらも、「クルスク5号機の完成については政党の『統一ロシア』が力を入れており、近い将来に資金が手当てされ建設が再開される可能性が高い」との認識を示した。一方バラコボ5号機については、周辺地域が電力供給過剰のため、建設が再開される可能性は低いと指摘した。


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