[原子力産業新聞] 2007年3月15日 第2371号 <3面>

バルト3国とポーランド 共同建設計画で合意

リトアニア、エストニア、ラトビアのバルト3国およびポーランドが参加する原子力発電所共同建設プロジェクトが正式に決定した。RBMK型原子炉を順次停止中のリトアニアに建設する計画で、「現時点では基本合意の段階だが、来年中旬には最終的な合意文書を締結し、2009年までに供給者の入札を開始する」(V.アダムクス・リトアニア大統領)と表明した。

建設プロジェクトは、リトアニア国内に1基以上の原子力発電所を建設するというもの。当面必要とされる設備容量は320万kWと試算されており、建設費用は50億〜60億ユーロと見積もられている。1基目は2015年の運転開始を目指す。

リトアニアはコスト削減のための一案として、独自の原子力発電所建設計画を掲げているベラルーシと原子炉機器を共同購入(まとめ買い)することも検討しており、すでにリトアニア外務省がベラルーシ政府と協議を開始している。

リトアニアのG.キルキラス首相によると、同プロジェクトの出資比率は、立地国であるリトアニアが34%で、残る3国が22%ずつ。そのほかにもスウェーデンやチェコの電力会社にも資本参加を要請している。

リトアニアと欧州連合(EU)は、EU加盟の条件としてチェルノブイリ発電所と同型の軽水冷却黒鉛減速炉(RBMK)であるイグナリナ1、2号機の閉鎖で合意しており、2004年末に1号機(RBMK1500、150万kW)を閉鎖。2号機(同)も2009年までの閉鎖が予定されている。

リトアニアはエストニア、ラトビア、ベラルーシなど周辺諸国にも電力を輸出しており、近隣諸国の電力供給への影響も懸念されていた。


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