[原子力産業新聞] 2007年3月15日 第2371号 <3面>

幅広い参加者得て議論

もう1つの会議はインドネシア商工会議所とJETRO共催のセミナーで、原子力発電が安全で経済的であることを理解してもらうための民間主催のセミナーを開催したいとの商工会議所の意向を受け、「インドネシアにおける原子力発電の展望」をテーマとして開催したもの。商工会議所会員、政府機関、大学、グリーンピースなど反原子力グループなど約120名の参加があった。

こちらでも松浦氏、藤江氏は、「原子力発電では安全確保を第一に考えるべき事」をそれぞれの経験に基づいて講演した。原子力発電の役割と社会的受容をテーマとしたラウンドテーブルでは、アジア太平洋エネルギーフォーラム代表幹事の末次克彦氏がモデレータを務め、軽妙な司会ぶりで議論を盛り立てた。

パネリストとして国会議員やグリーンピース・メンバー、大学教授、環境保護団体メンバーが参加。グリーンピースからの参加で建設的な議論ができないのではないかとの懸念があったが、情報不足によるものと思われるが、あっさりとした反対意見の表明だけであった。

両セミナーは日本講師陣の充実した講演により、建設準備段階のインドネシアにとってたいへん有益なものであった。このことは、セミナーに関して多くの新聞報道があったことからも判断される。インドネシアの原子力関係者によると、これだけ多くの原子力に関する新聞記事が掲載された事はこれまでなかった、との事であった。

(向山武彦・原子力コンサルタント)


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