[原子力産業新聞] 2007年3月29日 第2373号 <1面>

志賀原子力 能登半島地震で計測 揺れは設計地震動の約半分

北陸電力は28日、25日9時42分に発生した「能登半島地震」で測定された志賀原子力発電所における地震動の最大加速度が1号機で239ガル(暫定値)、2号機で264ガル(同)だったことを明らかにした。両発電所の想定最大加速度は490ガルで、安全上問題となる被害は出ていない。

同地震の規模はマグニチュード(M)6.9で、震央から約18kmに位置する志賀原子力発電所の最大震度は4.8(速報値)だった。同発電所地下2階で測定された水平方向の最大加速度は1、2号機とも、設計の際に使用した基準地震動の最大加速度である490ガルのほぼ2分の1程度のレベルに止まった。このため、同加速度から判断すると今回の地震は想定の範囲内としている。ただ地震の規模は、旧耐震設計指針における直下型の想定規模であるM6.5を上回ったことになる。

同発電所は1号機が安全対策の総点検のために、2号機が低圧タービンの整流板設置工事のために停止中だったが、1号機で190ガル、2号機で185ガルとしている緊急停止レベルを上回る加速度を記録した。

地震により、1号機原子炉建屋4階で使用済み燃料貯蔵プール周辺において45リットルの水(放射能量約750万ベクレル)の飛散、2号機低圧タービン組立中のロータ位置ずれ、建屋内コンクリート等の一部の剥がれなど軽微な被害が出た。

同社は今回の地震動の周期による分析など、より詳細なデータ解析を進める方針で、原子力安全・保安院もこうした解析を求めている。


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