[原子力産業新聞] 2007年3月29日 第2373号 <2面>

甘利経産相 想定外の制御棒引き抜け 省令改正で報告対象に

甘利明・経済産業相は23日の会見で、原子炉等規制法に関する省令を改正し、想定外の制御棒引き抜けを国への報告義務事象にすることを明らかにした。

この省令は経産省の実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(実用炉則)。炉規法では国への報告義務のある事象を省令で定めるとし、現在の実用炉則では緊急停止、想定外の臨界などを同事象としている。

会見で甘利経産相は、「想定外の制御棒の引き抜けを報告事象とするための作業を進めるよう事務方に指示した」と述べた。制御棒の引き抜けは1本以上を対象とし、想定外とは、原子炉停止中に制御棒駆動操作をしていない状態において、制御棒が動作したものと規定する。また、「事業者自身も、このような情報の公開、共有を更に積極的に進め、事業者一体となった安全性の向上に取り組むべき」とも述べた。


Copyright (C) 2007 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.