[原子力産業新聞] 2007年4月5日 第2374号 <2面>

原子力の不適切事案は97件 北海道、四国、九州は事案無し

電気事業者12社は30日、発電設備の総点検結果を経産省に報告した。原子力では北海道電力、四国電力、九州電力の3社を除く7社が合計97件の不適切な事案があったと報告した。

各社別の不適切事案は東北電力8件、東京電力19件、北陸電力4件、中部電力14件、関西電力8件、中国電力29件、日本原電15件。法令と保安規定に抵触し設備の健全性も損なわれたとする「A」から、軽微な「E」まで5分類した。

「A」の事案があったと報告したのは東京電力、北陸電力、日本原電。東京電力は、柏崎刈羽1号機の残留熱除去冷却中間ポンプ起動の不正表示(92年)、福島第二1号機・同第一2号機・柏崎刈羽1号機の原子炉スクラム事象の隠ぺい(各85年・84年・92年)、福島第一3号機の定検中の臨界事故(78年)の3事案を「A」と報告した。

北陸電力は志賀1号機の定検中の臨界事故(99年)の1事案。同社は同日、経産省から求められていたこの事故に関する詳細な報告書も提出した。それによると一連の初期対応を終えた後、所長以下14名が対応を協議、多くの出席者は2号機着工への影響などを認識し、最終的には所長が社外に報告しないことを決断したという。これに関し、本店の関与は認められないとした。

日本原電は敦賀2号機の格納容器漏えい率検査における均圧弁の不正操作(97年)の1事案。

法令、保安規定、地元との協定のいずれかに抵触し、設備の健全性も損なわれたとする「B」の事案は、東北電力1件、東京電力3件、中部電力1件、北陸電力1件、関西電力1件、中国電力3件、日本原電2件を報告した。


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