[原子力産業新聞] 2007年4月5日 第2374号 <3面>

フィンランド 2電力会社が 新設に向け環境影響評価に着手

フィンランドの2大電力であるテオリスーデンボイマ社(TVO)とフォータム社は3月28日、増設に向けた環境影響評価を実施する方針を発表した。両社は自社所有サイトで、それぞれ1基を増設することを想定している。

オルキルオト原子力発電所(BWR×2基)を所有・運転するTVO社は、現在オルキルオト3号機を建設中だが、今回新たに同4号機の増設を想定している。同社はすでに3月28日より、環境影響評価作業に着手した。

ロビーサ原子力発電所(PWR×2基)を所有・運転するフォータム社は、ロビーサ3号機の増設を想定している。同社は環境影響評価作業を4月から着手し、2008年秋までに完了させる予定だ。

オルキルオト3号機は2010〜2011年に運開を予定しているが、フィンランドでは今後10年内にさらなる発電設備容量の増強が必要と考えられている。両社とも現時点では、新規建設計画を決定したわけではなく、環境影響評価以上の作業を実施する具体的な計画はないとしているが、早ければ2017〜2018年にも同国6基目となる原子力発電所が運開する可能性が指摘されている。

フィンランドでは以前より、6基目の新規建設計画が取り沙汰されていた。特に国内電力消費の54%を占める産業界が、原子力発電の拡大を強く求めていた。また、ヘルシンギン・サノマット紙の調査によると、3月18日の議会選挙で当選した議員の過半数(55.5%)が新規建設に賛成しており、反対する議員は38.5%だった。


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