[原子力産業新聞] 2007年4月12日 第2375号 <1面>

原産年次大会が開幕 青森から平和利用発信 世界の耳目集める“日本”

日本原子力産業協会の第40回原産年次大会が10日、「原子力立国日本をささえる燃料サイクル――平和利用促進と核不拡散の調和を世界へ」を基調テーマに、青森市のホテル青森で開幕した。世界の原子力規模が再び急拡大する傾向を見せている中で、世界規模での企業連携が行われ、今年11月には六ヶ所再処理工場の営業運転開始も控え、「世界の中の日本」の注目度と役割の重要性が飛躍的に高まっている状況での開催であり、日本を含む20か国・地域、3国際機関から約1,500人が参加した。

まず開会セッションでは、今井敬・日本原子力産業協会会長が所信表明を行い、@不正・改ざんなどの撲滅A国内の安全基準を国際展開を進めるうえでも国際規格・基準にしていくB高レベル放射性廃棄物の地層処分について、処分場を誘致した地域だけに問題を背負わせてはならない――などとする考えを表明した(2面に今井会長所信表明の概要)。

次いで大会準備委員長を務めた遠藤正彦・弘前大学学長が大会のプログラム構成やセッションのねらいについて説明した。

地元青森県を代表して三村申吾・県知事は、原子燃料サイクル事業について、「国のエネルギー政策・原子力政策に沿う重要な事業であるとの認識のもと、安全確保を第一義に、地域振興への寄与を前提として協力してきた」と述べたあと、「子どもたちがすばらしい未来を迎えられるよう、現代科学と人間、地球環境をどう調和させていくかが課題であり、青森県もこうした課題に貢献していきたい」と語った。

「原子力政策の重要課題」と題して講演した原子力委員会の近藤駿介委員長は、高レベル廃棄物の処分施設の立地について、利益と負担の公平性から@受入れ自治体の発展に貢献すべきAその原資は国民を代表する国と事業者が負担すべき――との考えを示した。また、最近の研究では、原子力発電所が適切な保全がなされれば、言われてきた60年ではなく80年は稼動できるとの意見も出てきている、とした。

特別講演では、クライン米国原子力規制委員会(NRC)委員長が講演し、米国での原子力発電の導入機運の高まり以前の01年ですら、労働者需要は供給の150%で、NRCでも来るべき安全審査申請に備えて08年までに200人の純増を行う、と述べた。また同氏は「日本の製造力がうらやましい」とも語った。

この特別講演の議長を務めた鈴木篤之・原子力安全委員長は、米国での新しい流れについて、「3月に米国で規制情報会議が開かれたおりには、2,500人が一堂に会しクライン委員長の講演に耳を傾けた」と紹介した。

セッション1「拡大する世界の原子力発電と原子力産業メインプレーヤーの展望」では、世界の原子力産業を代表するローベルジョン・アレバ社最高経営責任者、キリエンコ・ロシア原子力庁長官、ホワイトGE原子力エナジー社長、庭野征夫・東芝ニュークリア・エナジー米国社会長兼社長が講演した。

11日の国際原子力機関(IAEA)設立50周年特別シンポジウムをはさんで、12日まで年次大会は開催される。


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