[原子力産業新聞] 2007年4月12日 第2375号 <1面>

電力12社 不正再発防止対策を提出 情報共有化を一層促進

電力12社は6日、発電設備に係わる総点検結果を踏まえた再発防止対策を原子力安全・保安院に提出した。原子力部門では各電力とも、(1)体質改善のための安全文化の醸成(2)再発防止のための事故・トラブル情報の共有化の一層の推進(3)不正を許さないための透明性の確保――を柱に、具体的な取組を掲げている。この日、防止対策の受理に当たった根井寿規・保安院原子力発電検査課長は、「精査の上、必要あればさらに指示を与える」と各社に対し述べた。

北陸電力では、富山市にある本店の原子力部と原子力安全推進室を「原子力本部」に改組して石川県に移転、本部長も県内に常駐させて、原子力部門を直接指揮・統括し、志賀原子力事務所を「志賀地域事務所」と改組するなど、地域一体となった事業運営を目指す。また、同社は今回、99年の臨界事故に対する抜本的な再発防止対策も合わせて保安院に報告したほか、「隠さない風土と安全文化の構築」を経営の原点に据えた「新しい北陸電力」創りへの決意も表明した。

東京電力では、これまでの「しない風土」「させない仕組み」を充実・強化するとともに、不適切な事案を隠さない「言いだす仕組み」の構築も掲げて、「企業倫理に関する行動基準」への宣誓、発電所運営の「見える化」促進など、改ざん・不正を受け付けない企業風土作りに努めていく。


Copyright (C) 2007 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.