[原子力産業新聞] 2007年4月12日 第2375号 <2面>

今井会長 橋本茨城県知事訪問 「安全続いてこそ安心」

原産協会の今井敬会長は4日、茨城県庁に橋本昌・茨城県知事を訪問(=写真)し、「最近、いろいろな問題が起こっているが、原子力に対する不安感を払拭し、原子力は安全かつ必要であるということを伝えたい」と述べた。

今井会長は青森県をはじめ、原子力施設の立地する県を順次訪れ、各県知事と会談しているが、北陸電力・志賀1号機、東京電力・福島第一3号機での過去の臨界発生事象が明らかになってからの訪問は、今回が始めて。

橋本知事は「原子力安全に対する見直しが必要となっている。住民の安心は安全が続かないと生まれない。県民に十分説明できるように実績で示してもらいたい」と述べるとともに、原子力機構のJ―PARC(大強度陽子加速器施設)のビームラインを産業界がもっと積極的に参加・活用するよう、経団連の名誉会長でもある今井会長に要請した。この後、今井会長は茨城県政記者会と懇談した。

今井会長は3月30日に電力各社が取りまとめた不正問題について、以前、東京電力のデータ改ざん問題を機に法規制を改定した2002年以降は、法令と保安規定に抵触し設備の健全性も損なわれたとするものはなかったと説明、「誠心誠意7万人の調査を行い、コーポレート・ガバナンス、透明性共に進んだと言える」と述べた。

原産協会が昨年10月に作成した原子力産業安全憲章について、関係企業に守らせるためにはどうするか、との記者からの質問に対して、今井会長は「会社のトップが決心する必要があり、現場の末端まで浸透させ、全員が同じ思いでやらなければならない」と語った後、「今回、電力会社のトップは骨身にしみて分かっているはずなので、やってもらえると思う」と述べた。


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