[原子力産業新聞] 2007年4月12日 第2375号 <4面>

三菱重工社長とアレバ会長が会談 共同開発炉はフルMOX可能

三菱重工業は11日、同社の佃和夫社長と来日中のアレバ社のローベルジョン会長が会談、共同開発炉の初期概念設計を予定通り今夏初めまでに完了し、7月からの基本設計着手を決定したと発表した。共同開発炉はフルMOX用が可能で、電気出力110万kW、3ループの第3世代PWRとすることも合意した。

両社は昨年10月の原子力分野での提携の合意以降、共同開発炉の基本概念を詰める作業を進めてきた。同開発炉は安全面で航空機墜落対策などを含み、環境対策面では使用済み燃料や廃棄物の発生を抑え、効率面では長期連続運転に応える。全炉心でウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を装荷するフルMOXも可能。両社の最新技術を投入する。

佃社長は、「集中的に進めてきた初期概念設計に続き、本年7月には基本設計を開始し、記録的な早さで許認可申請に着手する。これは両社のノウハウ、シナジー、提携による人的資源の共有により可能となったもの」と述べた。

ローベルジョン会長は、「これまでの第1段階の議論で両社がビジョンや技術面において近い関係にあることが示された。今後の活動にとって明るい兆しであり、今回の両社による共同開発が正しかったことが確認できた」とした。

両社は多用なニーズに応える新型炉を早期に市場投入するとしている。


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