[原子力産業新聞] 2007年4月19日 第2376号 <1面>

中核企業に三菱重工 FBR開発 必要な人材・施設を評価

文部科学省、経済産業省、電気事業連合会、日本原子力研究開発機構は18日、FBR実証炉の基本設計開始までのエンジニアリング業務を行う中核企業に、三菱重工業を選定したと発表した。近く原子力機構は同社と基本協定を締結、今年度の早期に各電気事業者も出資、同業務を行う新会社を設立する。公募には2社が応募、10名の委員で構成する選定委員会(委員長=田中知・東大院教授)が選定した。

4者は選定理由に三菱重工が「常陽」、「もんじゅ」の設計・建設の実績を有し、「実用化戦略調査研究」で選定された主概念の研究開発実績も豊富で、FBRの総合エンジニアリング能力が高いことを挙げた。主概念の研究開発に必要な人材や試験施設を十分に有し、将来の拡充に向けた要員計画も具体的に示し持続的、積極的な取組みが期待できると評価した。同社はナトリウム試験施設などを所有、各種試験が可能な体制にある。

新会社は当初40名前後の陣容を予定。15年までを目途に実証炉の概念設計や要素技術開発を行う。今年度は国から原子力機構経由で数十億円の開発費が投入される。

なお4者は応募したもう1社について、「今後の企業活動への影響」などを理由に公表しないとしている。


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