[原子力産業新聞] 2007年4月26日 第2377号 <3面>

オーストラリア首相 「原子力は将来に不可欠」

オーストラリアのJ.ハワード首相は20日、新研究炉であるOPAL炉(=写真)の完成セレモニーに出席し、「将来の原子力オプションを閉ざそうとする動きは、きわめて後ろ向きだ」とし、「原子力はオーストラリアの将来に欠かせないもの」との認識を強調した。

同じくセレモニーに出席した国際原子力機関(IAEA)のW.ブルカート事務次長は、「OPAL炉は最先端の研究炉であり、オーストラリアは技術面でも規制体系面でも、原子力発電導入に向けた準備が十分に整っている」との考えを示した。

また次長は、原子力発電の導入以前に国内で十分な議論をすることが大切と指摘し、「IAEAは中立の立場から、そうした議論の場に参加する」と協力を表明した。

OPAL炉は、オーストラリア原子力科学技術機構が2002年からルーカスハイツ科学技術センターに建設していた多目的研究炉(プール型炉、2万kW)で、RI生産、医療、農業、産業分野の照射サービスおよび中性子科学研究を行う。設計および建設は、アルゼンチンのINVAP社が担当している。


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