[原子力産業新聞] 2007年5月10日 第2378号 <1面>

FBR五者協議会 早期実施事項等を整理 実証炉規模50〜75万kW

文部科学省、経済産業省、電気事業連合会、日本電機工業会、日本原子力研究開発機構による五者協議会は8日、FBR実証炉の研究開発プロセスの中間論点をまとめるとともに、第2再処理工場の検討に向けた準備を開始することで合意したと発表した。同日、原子力委員会に報告、同委員会もこれを了承した。

五者協議会は昨年8月にFBRの研究開発段階から実証・実用化段階への移行に伴う技術課題検討のため「高速増殖炉サイクル実証プロセス研究会」(座長=田中知・東大院教授)を設置し、炉分野、燃料サイクルの順で進めることとした。

今回の論点整理は炉分野における7回の会合によるもので、比較的早い時期に実施すべき項目と将来判断すべき論点とその判断ポイントを示した。早い時期に実施するのは、@主要機器・構造単体で機能や設計成立性を評価する機器開発試験A冷却系の縮尺モデルを試作し主要系統の特性を評価するシステム試験B実証炉の電気出力を50〜75万kWの範囲とした概念検討――など。

将来の論点と判断ポイントは、@実証炉のサイズと商業炉に至るまでに必要な基数(10年頃暫定、15年頃確定)A全系統システム試験の要否(10年頃決定)B機器・構造実寸試作の要否(15年頃決定)C国際協力の在り方――など。

一方、第2再処理工場に関し原子力政策大綱では、10年頃から検討としているが、同研究会ではこの検討に技術的知見を提供するための議論を行う。今年8月頃までの検討項目として、軽水炉からFBRへの移行期における燃料サイクルの諸量評価、各種使用済燃料を想定した回収物の活用方法、採用候補となりうる燃料サイクル技術の調査などを挙げている。


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